つなひろの講座で保育園を訪れたり、日常の外来でよく聞かれます。
「うちの子、お薬飲めないんです。」、「この子、薬嫌いなんです。」っと。
そうなんですよねーーー、子どもってすごくかしこいんです。そして感じてしまうんですかね。でもきっとママの毎日のご飯がとっても美味しいんですよ。
そして、”これママのご飯の味じゃない”とか、”なんかママのお顔がいつもと違うなあ”、とか、ちょっと大きくなった上級者は、”きっとママは許してくれる・・・”とか。
もちろんその子にとって何かしらの飲みたくない理由な、甘えたかったり、イヤイヤ時期と重なったり

そんな子どもを相手にするの、なかなかこちらもパワーがいるものです。私たちママもいつも優しい仏さまママではいられません



ポイントは、やっぱり飲ませるママの覚悟と、にっこり優しい笑顔で飲ませること

ママの必死感が子どもに伝わったり、飲めないよな、まずいよなーーって顔は
です。

”お菓子じゃないもん、薬だもん、苦いのは当然”ってね。
子どものイヤな気持ちや飲みたくない気持ちも十分受け止めた上で、ここはひとつ覚悟をもって向き合いましょう。飲めた後は、満面の笑顔とこれでもかって驚き褒めてあげたら、絶対次も頑張れる!!もちろんその子その子のパターンや性格もありますから、どんな方法が一番効くかはママたちが一番知っていると思いますが。でもやっぱりこの一つの経験を成功体験として子どもの力に変えていきましょう。
薬は飲めてこその治療の始まりです。
抗生物質や薬の種類によっては苦い薬もあることも事実です。
「この前出された薬苦いですよね、もっと飲みやすい薬に変えてください。」と外来で言われることもしばしば。
・・・・
「いやーー、味で決めているのではないんですよね・・・」ってなる瞬間もあります。

かつて私も子どもへ薬を飲ませる時に格闘したなあって。私も曲げず、子どももガンとして飲まず



「でもママは薬飲むまではお話しません、何もしません
」って我ながら意地悪ーーーって思いながらも娘には言った。

ここで私が折れたらずっとこの調子になってしまう?と。
ママの覚悟もこういう時には大切だよねって自分に言い聞かせながら。
そうはいっても私も新米ママ、ここは譲るべき??これは甘やかしてもいいこと?などなど薬に限らず色々な場面でしつけと甘やかすこと、しつけと愛情の狭間で迷うことだらけ。そしてこれは良かったのだろうかと後悔することが今でもある。
でもでも、お薬は愛情を持ってしっかり飲ませるべきって思います。子どものために、病気を治すために必要なことです。
小児病棟にいた時には、本当に大人でも飲みたくないくらいの苦い薬を毎日ママと頑張って飲んでいる1、2歳の子どもも多くいました。ママも生命に関わる薬だけに必死です。本当にあの手この手で何度もチャレンジしていました。飲まなきゃいけない薬と分かればママだって頑張る→そして子どもも頑張る。ママってやっぱりすごいなあって思っていました。
私たちはお薬の必要性や、本当に必要な薬の選択など、ママたちにきちんと情報を届けることも大切だと感じています。
私も未だに中高生の女子相手に日々あの手、この手で繰り返しています。うちの子どもたちには、もう手や口は必要ないし効きませんが、ここぞって時に素敵なコドバやパワーを与えられるように、よーーーっく見る、見守るってことに全力を尽くすようにと。
そうはいっても口がつい出てしまい、「もう知ってるから
、今やろうと思ってたのに
」ってな繰り返しですが。


つなひろの講座で出会うママたちも、病院に来てくれるママたちも、本当に色々なことを考えていることがよーく分かります。
医療についてや迷うこと、心配なことなどどんどん私たちに教えてくださいね。色々な思いをめぐらせながた子育てしているママたちに、私たち医療者の何気ない一言で関係性を悪くしたりしないよう、一緒に話して、考えていける関係性になるといいなあって。意外とお互い誤解してるなあってよーく話すとわかるなあって思うことが多く、それはそれはもったいない

医療や子育ての環境がよくなるといいなあって。薬が飲めない時も、一緒に方法を考えたりしながら結果飲めるようにしていきましょうね
